血糖が高くなるってどういうこと?
血糖についてお話してみたいと思います。
血糖中のブドウ糖
血糖値(ブドウ糖濃度)の正常な値は、空腹時(絶食8時間以上)で70~100mg/dL(デシリットル)位です。では、100mg/dLの血糖値の時、血液中には、どれくらいのブドウ糖があるのでしょうか。
体内の血液量は約5L(リットル)ですから、[100mg/dL×5L=5g]。およそ、5gのブドウ糖が血糖中にあることになります。では更に5gのブドウ糖を食べると、血糖は100mg/dLから倍の200mg/dLになるのでしょうか?
答えは、「健常人では、血糖は200mg/dLにならない」です。
75g糖負荷試験
糖尿病を調べる検査に、「75g糖負荷試験」というのがあります。5gの15倍、75gのブドウ糖を飲む検査です。
75gのブドウ糖を飲んでも、健常人では血糖は200mg/dLを超えません。それは、小腸から吸収されたブドウ糖は、門脈という血管を通して肝臓に運ばれ、このほとんどが肝臓にしまいこまれるからです。
肝臓をすりぬけたブドウ糖が、全身に運ばれ血糖値を上昇させているのです。ですから、血糖コントロールに関して、肝臓は非常に重要な役割を持っています。肝臓をすりぬけたブドウ糖は、やがて筋肉・脂肪組織にとりこまれていきます。
体の細胞にブドウ糖をしまいこんでくれるのが、インスリンというホルモンです。インスリンは、膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島といわれるところで作られます。
五臓六腑(ごぞうろっぷ)
また、血糖コントロールに関して、「膵臓(すいぞう)」も重要な臓器です。五臓六腑というのを聞かれたことがあると思います。古(いにしへ)の時代の内臓についての認識ですが、
五臓は
肺・心臓・肝臓・脾臓(ひぞう)・腎臓
六腑は
胃・小腸・大腸・胆のう・膀胱・三焦
とされています。
そうです、膵臓(すいぞう)は五臓六腑にふくまれていないのです。古の時代、膵臓(すいぞう)は内臓として認識されていなかったのです。おそらく、三焦というのが、大網・小網・膵臓の一塊のことだと推測しております。
アジア人はインスリン分泌が少ない民族
アジア人は、膵臓(すいぞう)からのインスリン基礎分泌が少ない・追加分泌の遅い民族とされております。したがって、少し体重が多くなっただけで血糖上昇に見合うインスリン分泌が間に合わなく、血糖値が上がりやすいといわれています。
また糖尿病の患者さんでは、膵臓のインスリンを出す力が年々おとろえてくるといわれています。
血糖コントロールのために、肝臓を大事にし、膵臓(すいぞう)を守っていきましょう。
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執筆者

多森 芳樹 (医学博士)
たもり内科クリニック 院長
経歴
- 1984年 愛媛大学医学部卒
- 愛媛大学付属病院第一外科入局
- 1990年 日産自動車(株)コンサルティングドクター
- 1994年 ブリヂストン東京診療所
- 2009年 たもり内科クリニック院長(現職)
所属・資格等
- 立川医師会 会員
- 日本外科学会 会員
- 日本糖尿病学会 会員
- 日本生活習慣病学会 会員
- 日本糖尿病協会 療養指導医
- 日本外科学会 認定医
- 日本医師会 認定産業医
- 日本医師会 認定健康スポーツ医
- 西東京臨床糖尿病研究会 評議員